おくすり遺伝子検査(MTHFR)は、東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター前所長の鎌谷直之先生の監修により、国内外の最新の研究により構築された質の高い科学的根拠に支えられています。
解析部位について
・MTHFR(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)遺伝子C677T多型(rs1801133)
・MTHFR(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)遺伝子A1298C多型(rs1801131)
主として、以下のPeer Review Journalに掲載された論文のうち日本人を対象として行われた研究を中心に検索し、それらのデータを採用した。その中には、東京女子医科大学の研究グループの異なる被験者集団を対象に得られた研究結果に基づいています。
スルファサラジン(別名サラゾスルファピリジン(SASP)ともいう)は、低分子抗リウマチ薬の中でもメトトレキサートに次いで二番目に良く使われている薬です。抗リウマチ薬としては比較的速効性(約1~2ヶ月)である一方、副作用が比較的多く、重症な副作用として肝・腎障害、消化器系障害、心膜炎や胸膜炎、重い血液障害 などがあり、それらの重症副作用のために投薬を中止せざるを得ない場合も発生します。
メトトレキサート(Methotrexate;MTX)は、関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)の第一選択薬として最もよく使用されています。MTXの抗リウマチ作用の発現には、葉酸代謝拮抗作用があると考えられており、葉酸代謝の鍵酵素であるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(methylenetetra hydrofolate reductase;MTHFR)をコードするMTHFR遺伝子に存在する遺伝子多型が、RA患者のMTXへの反応性に影響を及ぼすことが明らかとなっています。
すなわち、MTXによる治療を受けたRA外来患者106人について、MTHFR C677TおよびA1298C多型とMTXの効果または毒性との関連をレトロスペクティブに評価した研究が行われました1)。
さらに、その数年後、156人(C677T)、159人(A1298C)での再現研究も行われました2)。その結果A1298C多型についてCアレルを持つ患者は、持たない患者に比べて、MTX服用量が少なく、また、3カ月後の炎症反応(C反応性タンパクレベルおよび赤血球沈降速度)の改善率が大きかったという結果が報告されています。
さらに、C677T多型は、MTX毒性と関連があり、副作用の発生頻度は、Tアレルをもたない患者より、持つ患者で多かったという結果が報告されています1)2)。
その他、別の研究グループによっても、MTX による治療を受けているRA 患者236 人を対象にC677T SNP が検討され、C677T多型をもつ患者では肝障害や脱毛などの有害事象によりMTX が中止となる症例が多くみられ、C677T SNP がMTX 毒性、特に肝毒性のマーカーになり得ることが報告されました3)。
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●おくすり遺伝子検査(MTHFR) 同意書
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●おくすり遺伝子検査(MTHFR) 結果見本
1) Urano W, et al.Polymorphisms in the methylenetetrahydrofolate reductase gene were associated with both the efficacy and the toxicity of methotrexate used for the treatment of rheumatoid arthritis, as evidenced by single locus and haplotype analyses. Pharmacogenetics. 2002 Apr;12(3):183-190.
2) Taniguchi A et al. Validation of the associations between single nucleotide polymorphisms or haplotypes and responses to disease-modifying antirheumatic drugs in patients with rheumatoid arthritis: a proposal for prospective pharmacogenomic study in clinical practice. Pharmacogenet Genomics. 2007 Jun;17(6):383-390
3) van Ede AE, et al. The C677T mutation in the methylenetetrahydrofolate reductase gene: a genetic risk factor for methotrexate-related elevation of liver enzymes in rheumatoid arthritis patients. Arthritis Rheum. 2001 Nov;44(11):2525-2530.
4) Kang SS, et al. Intermediate homocysteinemia: a thermolabile variant of methylenetetrahydrofolate reductase. Am J Hum Genet. 1988 Oct;43(4):414-421.
5) Weisberg I, et al. A second genetic polymorphism in methylenetetrahydrofolate reductase (MTHFR) associated with decreased enzyme activity. Mol Genet Metab. 1998 Jul;64(3):169-72.
6) Inoue S, et al. Pharmacogenetic study of methylenetetrahydrofolate reductase and thymidylate synthase in Japanese and assessment of ethnic and gender differences. Pharmacogenomics. 2007 Jan;8(1):41-47.
7) Zetterberg H, et al. Increased frequency of combined methylenetetrahydrofolate reductase C677T and A1298C mutated alleles in spontaneously aborted embryos. Eur J Hum Genet. 2002 Feb;10(2):113-8.
8) Hashiguchi M, et al. Methotrexate. Jpn J Clin Pharmacol Ther. 2008;39(6):247-253.